日本一短かったトンネル
今月も半分終わりましたが、今月1記事目です。
昨日鉄道各社ではダイヤ改正が行われました。今回は車両の引退が目立ったのでそのうちの一つ絡みで乗りつぶしした思い出を書いてみようと思います。
今回訪れたのは吾妻線
今回書くのは、群馬県の渋川と大前を結ぶJR吾妻線。
四万温泉の玄関口、中之条や草津温泉の玄関口、長野原草津口を通って大前へ向かう路線で、温泉に行く観光客の利用が多く上野発着の「特急草津」号も走っています。
近年はダム建設による線路切り替え、特急草津の運転区間短縮、そして今ダイヤ改正での115系引退とローカルながら何かと動きの多い路線です。
乗りつぶしと当時日本一短いトンネル
この旅の目的は、
1.乗りつぶし
2.日本一短い鉄道トンネル(当時)の訪問(主目的)
3.ダムの底に沈む川原湯温泉駅の見学
でした。トンネルは八ッ場ダムの建設工事による線路の付け替えで電車が通らなくなり、川原湯温泉駅はダム湖の底になるため、見ておこうと思い決めました。
まずは乗りつぶし
まずは乗りつぶし。前日高崎に泊まり、始発に乗って終点大前駅へ。
ホームに停車する107系電車。同じ目的の人が多いのか、始発にもかかわらずそこそこ乗ってきた人がいました。
この107系は115系と共に吾妻線の顔とも言える存在でしたが、一足先に去年9月に引退しました。
ただ、引退後は上信電鉄で走るようで、高崎駅脇の上信電鉄の車庫に留置されています。
ホームは4両分しかありませんが線路と電線は7両停まれる位あり、臨時列車等が走ると一時的な引き上げに使われることもあるようです。
駅のそばの吾妻川にかかる橋から。駅の周りに建物は少なく、のどかな風景です。
お目当てのトンネルへ
今回の主目的である「樽沢トンネル」は、途中の岩島~川原湯温泉間にあるので岩島駅で下車し川原湯温泉まで歩くことにしました。無人駅です。
実りの秋
訪問した時期は9月下旬の彼岸の頃。稲穂も綺麗に色づき所によっては収穫済だったりもして、道沿いにも作物や花の姿を見ることができました。
トンネルへ向けて歩く
引き続き歩いていきます。途中の川にかかる大きな橋に寄り道して撮影。
この先から吾妻渓谷になります。
途中そこそこ古そうな石積み橋脚の橋があったり。
上野から来たであろう特急列車に抜かれました。
トンネルに到着
これが今回の目的である樽沢トンネル。
見ただけでなんとなく短さは感じられると思いますが、全長7.2m。電車1両の半分よりさらに短い。
歩道のガードレールにはご丁寧に看板も。
反対側は通過してすぐ橋になっています。
ここで上下1本ずつ通過を見届けることにしました。
先に上り列車が通過。電車が通ると短さがよくわかりますね。
ちょっとだけ吾妻渓谷
下り列車が来るまでに時間があったので吾妻渓谷の遊歩道に下りて少しだけ見てきました。
*だむのなかにいる*
少し歩くと八ッ場ダム工事現場に到着。
看板を見て結構底の方にいるなあと思いつつ、横の断面図を見ると・・・。
完成したら完全に本体のコンクリートの中になる場所ですね・・・。
工事は着々と進んでいるようでした。
大きな鉄橋、そして遠くに高いコンクリート橋が見えてくると川原湯温泉駅は間近。
(旧)川原湯温泉駅
ダム湖の底に沈む駅。実は訪問日が旧線運転最終日の前日だったため、駅は人でいっぱいでした。
周辺案内図。温泉街もダム湖に沈むため、新たな源泉を掘り移転しています。
駅の時刻表。特急草津号も運転区間が長野原草津口までに短縮されたので、定期列車の「万」(万座・鹿沢口)の表示も過去のものとなりました。
駅のホームから八ッ場大橋(湖面1号橋)が見えます。橋は当然湖面より高く作られているので、ダム湖の深さがわかりますね。
橋の柱の一つには謎の「標高」表示が2つ・・・。
少し前に振り返ってダム工事現場の看板をもう一度見てみましょう。
おわかりいただけたでしょうか。ダムの堤頂高が586.0m、貯水位が583.0m。この2つが答えでした。
最高水位の時、写真の一番高い木の少し上の青い線のところまで水が来るわけです。
ホームをぶらぶらしていると、トンネルに行く途中に抜いていった列車の折り返しか、上りの特急列車が来ました。
電車が発車すると、ホームの人が少なくなりました。これ位が日常の姿でしょうか。
しばらくすると下りの特急列車も到着。
ちなみに新駅移転後も引き続き特急停車駅でしたが、昨年のダイヤ改正で特急草津号の停車駅から除外され、特急列車は停まらなくなりました。
駅には1時間弱滞在し、今ダイヤ改正で引退した115系に乗り駅を後にしました。
記事を書いていて改めて認識しましたが、107系や旧川原湯温泉駅は過去帳入り、115系ももうすぐ過去のものとなります。
当時撮った写真をこんな形で公開するとは思っていなかったのですが、こんな風景、こんな電車があったのだな程度に思ってもらえれば幸いです。
ではまた。